電子自治体推進を支援する情報誌「 新風」

【連載】

タイトル

 公的年金から個人住民税の特別徴収が開始されるのを機に、地方税の電子化が急速に広がっています。また、「国税連携」についても実施に向けた具体的協議が進められており、これが実現すると市区町村の導入効果は一気に高まります。さらに、ここにきて、総務省が今年度中の全団体のエルタックス参加を目指すとしたことから、未加入団体からの問い合わせも増えてきました。そこで今回は、今後の予定と必要な準備について説明します。

エルタックスの現状

 エルタックスは、インターネットから地方税の申告を複数団体へ一括して送信できるサービスですが、納税者が電子申告できるのは受付サービスを実施している市区町村に限られます。平成21年6月1日現在、エルタックスに接続している市区町村は1,321団体で、このうち地方税の電子申告受付サービスを開始したのは301団体とまだ少ない状況です。
 本来、エルタックスは電子申告・納税を行うための基盤であり、年金特徴のみの利用でも、電子申告まで実施しても協議会への費用負担は同じです。
 また、エルタックスは企業や市区町村にとって、単に税務事務の便利なツールに止まるものではありません。ペーパーレス化された簡便で迅速・正確な事務処理は、業務改革や経費の削減にも寄与するものと思われます。こうしたことから、いま未曾有の経済危機にあるなかで、企業も市区町村もエルタックスの早期活用が望まれますが、企業に利用してもらうにはまず市区町村がエルタックスを導入して電子申告の受付サービスを行うことが大前提です。
 実施団体はまだ一部に限られているものの、電子申告の利用件数は着実に増加しており、平成20年度は一挙に100万9,585件(前年比238%)に達しました。
 また、6月1日現在の利用率を見ると、法人2税が全国平均で20.33%となり、今後、実施団体が増えることで法人市町村民税や固定資産税(償却資産)の利用も大きく伸びると見込まれています。
 図に、電子申告の効果とメリットを示しましたが、最大の効果を得るためにはやはり全市区町村の参加が不可欠です。

『重点計画2008』(平成20年8月/IT戦略本部決定)でも、具体的施策として「地方税の申告等における電子化の推進」が掲げられ、「早期に市区町村の参加拡大を図り、電子化を推進するとともに、国税電子申告・納税システム(e-Tax)との連携を進める」との方向性が示されました。
 特に国税連携に際しては、すべての市区町村の参加が極めて重要なことから、総務省でも今年度中に全団体がエルタックスへ参加することを目指して取り組むとしています。

入会手続きの期限を延長

 さて、協議会では市区町村の参加促進を図るため「運用関係費負担金」を免除するインセンティブを設けています。21年度にエルタックスを導入する市区町村については、運用関係費負担金の21年度分を全額、また22年度分は半額免除とするものです。
 なお、21年度末までにエルタックスの運用を開始しないと、このインセンティブは受けられません。
 また、協議会の会費についても都道府県および指定都市は150万円の定額ですが、一般市区町村は人口一人当たり1円として負担感に配慮しています。
 さらに、協議会としても総務省の取り組みと歩調を合わせるべく、平成21年12月に運用開始予定の団体は、入会手続きの期限を7月31日まで延長することにしました。また平成22年4月1日までにエルタックスの運用を開始する予定の団体については、手続き期限を平成21年10月30日まで延長しています。
 インセンティブの適用なども考慮し、計画的な導入を進めてください。

7月には説明会を実施

 協議会への問い合わせで多いのは、やはりエルタックス導入のための諸準備についてです。
 ASP方式を採用する団体の場合、導入のためには主に次の4つが必要となります。

(1)協議会への入会申込み

(2)ASP事業者の選定

(3)エルタックスとの接続テストや研修

(4)基幹税務システムの改修、およびデータ連携に係わる調整

 入会申込みに必要な書類などは、協議会のホームページで公開しています。また、運用開始にあたっては事前に接続試験や研修等が必要なことから、入会申込みまでに原則としてASP事業者を選定しておくことになりますのでご注意ください。
 なお、7月に市区町村に向けて開催する説明会では、国税連携に関する説明(ブロックごとに開催)なども予定していますので、ぜひご参加ください。