電子自治体推進を支援する情報誌「 新風」

【連載】

タイトル

 わずか6団体によるパイロット運用からスタートした「エルタックス」も、登場から5年。「公的年金からの個人住民税の特別徴収」制度という追い風もあって、いまや自治体全体の九割超を占める1,637団体(47都道府県・1,590市区町村)が、当協議会の会員となりました。会員数の拡大とともに、電子申告件数も急増しつつあるなかで、本号ではこれまでの経緯を振り返るとともに、国税連携対応など今後の取り組みについて紹介します。

 エルタックスが提供するサービスは、「法人都道府県民税及び法人事業税」の申告に始まり、これまで「法人市町村民税」「固定資産税(償却資産)」「給与支払報告書」「事業所税」「電子納税」「申請届出」と段階的にその分野を拡大してきました。
 しかしながら、これらの受付サービスを開始する市区町村がなかなか増えなかったことから利用者は十分な利便性を享受できず、納税者や税理士等の代理人からは「1日も早く、全団体でサービスを開始すること」が強く要請されていました。
 その点、昨年12月以降、新たに325市区町村が地方税の電子申告の受付を開始し、サービス実施団体が706団体へと拡大したことは、実に喜ばしいことです。全国一律のサービス実現へなお一層の普及促進に努め、「納税者・企業等の利便性」と「行政の効率性」の飛躍的な向上を実現していきたいと考えています。

当面の二つの課題

 現在、協議会ではエルタックスの普及拡大や国税連携など新たなサービスの開始、これに伴う情報セキュリティ体制の強化などの観点から、さまざまなテーマに取り組んでいます。当面の課題は、以下の2つです。
1.ポータルセンタ機器の更改
 ポータルセンタのシステム機器は、平成17年1月から稼動を開始しています。エルタックス参加団体の増加、これに伴う電子申告率の上昇、さらに今後は国税連携への対応などを控えていることから、平成22年9月の切り替えを目標としてシステム機器の更新作業に着手しました。なお、機器更改にあたっては、分割発注や競争入札の導入など、可能な限り透明性・公開性の確保と経費節減に努めています。
2.国税データ連携
 協議会では、昨年より国税庁と総務省との三者間で、平成23年1月からの「所得税の確定申告書のデータ連携」実現に向けた協議を重ねてきました。
 国税データ連携は、「国税電子申告・納税システム(イータックス)」と「国税総合管理システム(KSK)」の申告データを、エルタックスを経由して地方自治体に自動送信できるようにするものです。これにより、毎年確定申告の時期になると繰り返される分離複写・閲覧業務の一部廃止などの事務負担の軽減、また税務行政にかかる経費削減や入力ミスによるリスク解消などの効果が期待されています。
 また、国税データ連携を実現するには、これまで以上にシステムの安定稼動と情報セキュリティの強化が求められます。
 そこで、協議会では現在、以下の対策に取り組んでいます。

①「各団体の課税データ等の流れとデータの保存場所」「ASP事業者におけるデータ管理状況」など、全体像の把握

②市町村がASPサービスを導入する場合は、LGWAN利用を原則とする

職員の研修・啓蒙を

 さて、3団体のうち1団体以上で電子申告が可能となったことで、今後、エルタックスの利用件数も急増することが予想されます。
 そうしたなか、エルタックスをデジタル社会のインフラとして浸透・定着を図っていくためには、自治体職員の教育が重要と考えています。そのため、昨年12月には担当者向けの説明会を開催しましたが、今後も継続して職員の研修・啓蒙活動に注力していく考えです。
 当協議会としても、サービスのさらなる改善・向上を図るとともに、会員団体と協力して職員研修に努め、納税者の期待に応えていきたいと考えています。