電子自治体推進を支援する情報誌「 新風」

【連載】

タイトル

エルタックスの運用がスタートしてから5年。今年4月、すべての市区町村がエルタックスへ接続する見込みとなりました。これにより、いよいよエルタックスサービスの運用基盤が整います。本号では、本格的な稼動期を迎えたエルタックスの今後の取り組みについて説明します。

市区町村の半数が電子申告

 地方税電子化協議会では、従来より「地方公共団体の相互協力」を基本理念として、地方公共団体が共同で全国共通システムを構築し、その運用を行ってきました。こうした取り組みは他に例を見ない、まさに地方分権時代における施策のリーディングケースといえます。また、その事業活動は、電子政府・電子自治体が目指す「納税者の利便性向上」「地方税務行政の効率化・高度化」を実現する上でも不可欠なものと自負しています。
 さて、エルタックスの経緯を振り返ると、「法人都道府県民税」「法人事業税」「法人市町村民税」「固定資産税(償却資産)」の申告、「個人住民税に係る給与支払報告書」の提出、「事業所税」の申告、「電子納税」「申請届出」「地方法人特別税」と、段階的にサービスを拡大してきました。なかでも大きなエポックとなったのが、公的年金からの特別徴収に係る経由機関業務の開始です。これを契機として、エルタックスの参加団体も73団体から一気に1,600団体へと増えました。
 また、参加団体の増加とともに、電子申告受付サービスの実施団体も着実に増え、昨年4月時点で348団体だったものが、今年4月には835団体に達する予定です。これによりサービス実施団体割合は46.39%と、ほぼ半数に達します。
 さらに今年4月には、全団体がエルタックスへ接続する予定で、いよいよ地方税の電子化は「IT基盤整備」から「IT利活用の促進」の段階へと移行することとなります。

 ただ、納税者が利便性を享受するためには、全団体が一日も早く、電子申告を始めとするエルタックスの基本的なサービスをすべて開始することが欠かせません。協議会としても、全国一律のサービス実現へ、今後とも努力していきたいと考えています。そのため、平成22年度の重点課題として「個人住民税(給与支払報告書や特別徴収関連手続)」に係る電子申告等の導入推進に取り組みます。
 現状では、多くの企業等が電子化している各々の従業員の給与情報を紙に出力し、これを市区町村ごとに振り分けて郵送しています。それを受けた市区町村ではパンチ入力し、それぞれの基幹システムへ読み込むという作業が発生し、個人住民税担当部署にとっては1~3月の業務で最も大きなウエイトを占めていました。これが電子化されれば、企業にとっては事務の効率化とコスト削減が期待でき、一方の市区町村においても入力ミスなどのリスク解消やコスト削減が見込まれるなど、双方に大きなメリットが生じます。
 そこで、市区町村に対して改めて給与支払報告書の電子化への理解促進を図り、電子申告全体の普及に努めます。まだサービスを実施していない団体では、この機会に導入くださいますようお願いします。

さらなる進化への取り組み

 さて、平成22年度は、エルタックスにとっても大きな節目の年となります。
 具体的には、4月に全団体が接続するのを皮切りに、9月には「ポータルシステムの更改」を予定し、また来年1月には「国税庁との所得税確定申告データの連携」(国税連携)がスタートします。協議会としても、この節目をエルタックスのさらなる発展への転機とするため全力で取り組む所存です。
 システム更改については、全団体が将来も継続して安全かつ円滑に利用できるネットワークインフラとすべく、エルタックスの強化拡充を図るものです。
 また、より信頼性の高いネットワークを構築するため、エルタックスにおける税情報の適切な管理のあり方について、(1)地方公共団体とASP事業者との契約関係の見直し、(2)ASP事業者の登録・要件等の制定、(3)LGWAN回線の利用──について全体の見直しを行いました。これに伴い、「地方団体のeLTAXベンダとの直接契約」「庁内のセキュリティポリシーの見直し」「データの7年間保管の義務付け」および「ネットワークのLGWAN回線への一本化」などへの対応が必要となるため、十分ご留意ください。
 さらに、国税連携については現在、総務省と国税庁との三者間で具体的協議を進めているところで、平成22年10月~11月にデータ疎通および機能確認テストなどを実施する予定となっています。詳細については適宜、情報発信していく予定です。
 加えて、電子申告についても引き続き普及促進に努めます。
 平成22年度におけるサービス開始時期は、12月と23年3月を予定しています。エントリー期限、エントリー方法など、ご不明な点は協議会までお訊ねください。