電子自治体推進を支援する情報誌「 新風」

【特集】

タイトル

『社会保障・税番号大綱』の決定を受けて、いよいよ番号制度の実現に向けた動きが本格化します。制度の詳細は、今後の国会審議が待たれるところですが、これにより市区町村にとってかつて経験したことがないほどの“大改革”が始まるのは確実で、そのためにいかに手を打つか注目されます。
 番号制度が従来の法制度改正と大きく異なる点は、関連する部門が多岐にわたることと、これにより市区町村の業務が根本から変わることといえます。
 税制改正にしろ、介護保険制度の創設にしろ、これまでであれば特定の部署のなかで制度対応を完結できました。しかし、今回の番号制度はほぼ全庁的にまたがって関わってくることとなります。また、「マイ・ポータル」の創設などにより窓口業務や申請受付業務が大きく変わり、将来的には「各種手続等のワンストップ化」や「プッシュ型サービス」があたりまえの時代となります。
 市区町村にとっては、業務プロセス改革の機会でもあるとともに、住民サービスにイノベーションを起こす絶好のチャンスなのです。
 そのためには、部門横断的なプロジェクトチームを発足し、できるだけ早く「影響分析」──例えば、影響が想定される業務の洗い出しとその影響度合いの分析・評価、影響を最小化するための業務プロセスおよび業務システムの研究──などに着手することが求められます。
 特に、業務システムについては制度対応に伴い大幅な改修も想定されることから、「コスト」と「システム拡張性」に加え「サービス」「安全性」「最新技術の動向」などを総合的に判断して、今後の方向性を見定める必要があるでしょう。並行して、番号制度の開始にあたっては外部機関(情報保有機関)とのデータ連携が発生することから、個人情報保護条例や情報セキュリティポリシーの見直しも必須となります。
 さらに、番号制度は毎年の税制改正をはじめ、「社会保障と税の一体改革」に伴う新高齢者医療制度や国保の広域化、介護保険改正、新障害者福祉制度などの制度改正へ影響することにも留意が必要です。こうした制度改正を想定して、予め業務計画へ組み込んでおくことも欠かせません。
 最後に、住民への広報も時間をかけてじっくりと行わなければなりません。広報すべきテーマは制度の内容をはじめ、個人情報保護対策の考え方や制度導入で住民サービスの対応など何が変わるのか、マイナンバーの通知方法、ICカードでできること──など多岐にわたります。
 そのためには、広報誌やホームページを通じて繰り返し情報発信するとともに、住民からの質問・問い合わせへ的確に対応できる体制整備も求められます。
 TKCでは、これまでも「介護保険制度」や「住基法改正」など大規模な法制度改正のたびに、実務担当者による研究会の発足を働きかけてきました。番号制度についても、いずれかの時点で研究会による制度的・技術的な観点から最適な業務プロセスやシステム対応の在り方などの検討が必要と考えています。
 また、お客さまの円滑な制度対応を支援すべく、すでに社内において専門チームを発足し調査研究を開始しました。その成果は、本誌等を通じて随時情報発信してまいります。