電子自治体推進を支援する情報誌「 新風」

【特集】

──秋田市の電子申告が始まりました。
秋山
 秋田市の英断に、地元税理士の一人として感謝します。今回のサービス開始により、法人税申告は国と県と市が電子申告で完結され、本来のメリットを享受できる環境が整いました。納税者が本当に便利さを実感できるのはまだこれからですが、未来へ向けた大きな一歩を踏み出したと思います。TKC東北会秋田支部では、これまでにも会員の8割が電子申告を実施してきましたが、今後地方税の電子申告数は一気に伸びると考えています。秋田市や田辺市に続いて、ぜひ多くの市区町村で一日でも早く電子申告が始まることを願っています。

秋田市の英断に応える

──電子申告によって、市町村へどのような効果があるとお考えですか。
植松
 電子申告は対応する市区町村が増えるほど、シナジー効果によって納税者・行政ともにメリットが飛躍的に高まります。ここで強調したいのは、電子申告とは単に申告の“電子化”ではないということです。税理士にとって申告は業務のほんの一部に過ぎませんが、電子申告によって我々の仕事も大きく変わりました。最大の変化は、申告に伴う確認作業から解放されたことです。市区町村は業務の性質上、数々の確認作業に膨大な時間とコストを費やしています。地方自治の時代を迎えて、その傾向はますます強まることでしょう。その点、電子申告は市区町村の業務にこそ大きな変化とメリットをもたらします。また、中長期の視点で考えれば、この延長線上には自動車税や水道料の納付などへの活用もあることから、ぜひ広い視点で捉えていただきたいと思います。
秋山 電子申告は、いわば国全体の共同インフラといえますが、厳しい財政事情もあって、このままでは全国へ普及するまでには相当の時間がかかるでしょう。国や都道府県には、ぜひ一斉推進策を考えていただきたいと思います。秋田市をはじめ県内25の全市町村では、「秋田県市町村税務協議会」を設立し、地方税の電子申告の普及促進へ取り組んでいくと聞いています。これは大変嬉しいことで、こうした動きがぜひ全国各地へ広まってほしいですね。

──今後の推進策をお聞かせください。
植松
 秋田市の動向は、いま全国の市区町村が注目しています。「地方都市も電子申告をすべし!」と、自ら先陣を切って下さった秋田市には、本当に成功していただきたいと思います。そのためには、電子申告の利用数が伸びなければ、秋田市に対して申し訳ありません。TKC会員が関わる秋田市への申告は、「100%電子申告で」というぐらいにならないといけないでしょう。1年後、秋田市や納税者の皆さんが「電子申告をやってよかった」と思えるよう、TKC東北会としても、いままで以上に関与先企業や周辺自治体へ電子申告の実践を積極的に働きかけていきたいと考えています。そうやって秋田県から全国の市区町村へ、地方税の電子申告という風を起こせたら最高ですね。