電子自治体推進を支援する情報誌「 新風」

【トレンドビュー】

タイトル

1月4日、「所得税確定申告書のデータ送信」(国税連携)がスタートしました。この日以降、税務署へ提出される所得税確定申告書はKSK分も含めてeLTAXを経由して国税庁から市区町村へ送信されます。これにより、住民税課税の資料となる所得税確定申告書および付属計算書類のほとんどが「紙」から「電子データ」となり、住民税当初課税業務のプロセスが大きく変貌します。

自動化されない“電子化”

 平成22年度分までの住民税当初課税業務のプロセスを見ると、所得税確定申告の終了後、市区町村の住民税主管課では、(1)税務署に出向き、確定申告書および電子申告(e─Tax分)帳表の印刷物や、KSK分の「マル住」分を分離して申告書を受領する、(2)これに記載された内容の確認や住民基本台帳との照合、住民税課税データとしてシステムに入力するための補記を行う、(3)その結果を基幹税務システムへ取り込む、といった作業が行われていました。
 しかし、国税連携がスタートすると、国税庁から市区町村へe─Tax分の申告書データは日次で、KSK分は週次(1月4日から4月30日。上記期間以外は月次)で届くことになります。これにより申告書の受領時期が格段に早まるため、業務スケジュールや業務プロセスの見直しが必要となります。
 最も大きな変化は、「紙」情報から「電子」情報になることです。これにより、基幹税務システムへデータを取り込むためには異なる形式のデータを結合することが必要となります。そのためには、住民税課税データの作成にあたって、KSK分のイメージデータ(第二表の全部、第三表・第四表のOCR枠がない項目)を印刷し、課税に必要な項目を基幹税務システムへ入力する必要があります。
 また、扶養親族数や寡婦(夫)・障害者などの本人該当事項を、データ入力することも必要です。このプロセスを経て、「国税連携クライアント端末」でダウンロードしたXML形式の文字・数値データ(KSK分の第二表以外とe─Tax分のデータ)および別途作成したKSK分第二表等のデータを、基幹税務システムに取り込むこととなります。

業務を分断しない仕組み

 さて、TKCではこうした「電子化」で残された課題を解決するために、「TKC行政ASP/地方税電子申告支援サービス」の「データ連携サービス」を提供しています。
 このサービスでは、イメージデータを文字・数値データへ変換するOCR処理機能を搭載し、データ入力にかかる労力やコストを軽減するとともに、税務業務の正確性の確保を支援します。また、庁外に課税データ作成のために入力原票等を持ち出す必要がなく、重要度の高い個人情報の紛失や情報漏えいリスクを回避することもできます。
 さらに「データ連携サービス」では、住民税当初課税業務を「申告書データの受領」「内容確認」「基幹税務システムへのデータ投入」の三つのプロセスで構成し、スムーズなオンライン連携により分断することのない業務を実現します(図)。

1.申告書データの受領
 まず、国税連携サーバから受信したイメージデータである確定申告書第二表等をOCR処理し、文字・数値データに変換します。また、OCR処理での誤読を発見するために、データ変換した第二表等のデータと第一表のデータとの整合性をチェックします。これにより、パンチ入力にかかる煩雑な一連の作業負担の軽減を実現できます。
2.内容確認

 データの確認・修正を複数名で効率的に実施するために、一定の基準によるデータの振り分け機能を有しています。
 例えば、変換したデータを分離課税、事業専従者の申告書などの区分で担当者に振り分けることも可能で、LGWANに同時接続した複数台のパソコンから確認・修正を行うことができます。次に、イメージデータ原本と変換したデータを同一画面上に表示し、誤読文字の確認・修正や申告データの論理上のエラーへの対応を行います。
3.システムへのデータ投入
 KSK分の第一表データと変換後の第二表等のデータを結合した上で、e─Tax分のデータと合わせて基幹税務システムに取り込みます。「TASK.NET税務情報システム」では、申告データについて税法上あるいは別表間の整合性チェックが可能です。

 なお、国税連携では、平成22年度分の住民税課税の変更を要する修正申告書や更正決定決議書も届きます。これらは、平成23年度分当初課税に先だち処理する必要があります。
 地方税の電子化により、税務業務プロセスは飛躍的に変わります。その成果を拡大するためにも、地方税電子申告の早期の普及が望まれるところです。
 TKCでは今後も納税者の利便性向上と市区町村の税務業務の効率化に向けシステムの開発・強化に努めてまいります。