電子自治体推進を支援する情報誌「 新風」

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タイトル

──税務の情報化の経緯について教えてください。

吉武 平成17年4月1日に、旧磐田市と4町村が新設合併して、現在の磐田市となりました。TKCとのつきあいは、平成13年に旧磐田市が「申告受付支援システム」を導入したことに始まります。それまでは、手書きの給与支払報告書や確定申告書といった課税資料に職員が補記したものをパンチし、ホストシステムへ取り込んで課税事務を行っていました。当時、最大の課題だったのがデータのエラーチェックでした。そのために課税業務に大変な労力を費やし、また担当者には高いスキルが求められることから業務が“属人化”していました。そうした状況を改善したいと考えて、誰でも間違いなく簡単に操作できるパッケージの導入を検討し、最終的に「TASK.NET申告受付支援システム」を採用しました。いまでは、すべての課税資料を申告受付支援システムへ取り込み、エラーチェックや合算処理を行った上で、基幹税務システムへデータ連携する運用としています。これにより、データ確認のための作業時間が大幅に短縮され、また業務の標準化もできました。

着々と進化する税務業務

──平成20年12月からは、「TKC行政ASP/地方税電子申告支援サービス」を活用して、個人住民税(給報)、法人市町村民税、固定資産税(償却資産)の電子申告も開始されました。その効果は?

石切 給報を例にすると、平成20年度は6,957枚でしたが、22年度(3月末時点)は1万1,570枚と、電子申告の利用が年々増えています。本市は、輸送機器関連や電子部品関連を中心とした全国有数の工業都市でもあり、毎年、膨大な量の給報を処理しています。大企業の場合は、もともとMTで提出していたこともあり電子申告の利用はまだこれからの状況ですが、中小企業には急速に電子申告が普及しています。現在、法人申告全体の36%を占めるまでとなっています。これにより、パンチ入力の委託料や職員の残業時間が減少し、業務効率化と人件費の削減につながりました。
──国税連携は、いかがでしょうか。
吉武
 6月時点で、5万5,792件(うち現年分は5万4,158件)の確定申告書を受け、うち電子申告によるものが全体の約20%の1万1,854件となっています。e-Taxのデータはそのまま取り込むことができるので、利用率が上がれば我々の課税業務もかなり楽になります。ただ、当面は画像データで届くKSK分のデータを、どうやって基幹システムへ取り込むかがネックです。他団体では、紙に印刷してからパンチ入力する例もあるようですが、本市では、(1)地方税電子申告支援サービスの「OCR処理機能」を活用して、KSK分も自動でデータ化し、(2)申告受付支援システムへ全データを取り込みエラーチェック、および他課税資料との整合処理を行う──という運用方法をとり、正確な課税データをホスト側へ連携させています。これによりパンチ入力が不要となるなど、業務の効率化が図られたと感じています。今年は初の国税連携ということもあり、KSK分についてはすべてのデータをチェックしましたが、来年はこの作業の大部分は省略できるでしょうね。

欠かせない「自動連携」

──パッケージシステムをうまく組み合わせて運用されているわけですね。
吉武
 そうですね。実は、来年1月に基幹系システムの更新を予定していますが、申告受付支援システムと電子申告システムについては現行のままで移行する方針です。継続を決めた最大の理由は、「自動連携」でした。我々が考える自動連携とは「SEや職員の手を介さない」というものですが、いろいろ調べた結果、それを実現できるのはTKCだけでした。人手を介さないということは、人為的なミスを軽減できる、ということでもあります。自動連携の「便利さ」は使ってみないとわかりません。ぜひ一度、体感されてみてはと思いますね。
──ICTの有効活用が重要ですね。
吉武
 いまや、どこの自治体でも限られた職員で業務をこなしている状況です。一方で、電子行政サービスにも的確に対応していかなければなりません。そのためには、常にベストな方法を模索して知恵を絞り、業務のやり方も柔軟に見直しながら対応することが重要でしょう。
──いま取り組んでいることは?
石切
 まずは「電子申告の利用促進」です。これについては、税務署や近隣の自治体と連携して、税理士や地元企業へ普及に努めています。電子申告の普及は、我々の業務の効率化にも寄与しますからね。また、市独自の取り組みとして、市長を先頭に全職員に電子申告の利用を呼びかけています。さらに、納税者の利便性向上の点では、今年から納税課にポルトガル語の通訳を専属で配置しました。磐田市の場合、外国人住民が全人口の約5%を占めており、なかでもブラジル国籍の住民が多いことから、彼らの納税相談等にきめ細かく対応できるようにしたものです。これにより、収納率向上にもつながると考えています。経済の低成長や少子高齢化などにより、磐田市もますます厳しい財政運営となることが予想されます。そうしたなかで「市民第一、現場第一、行動第一」をモットーに、市税課としても時代や地域のニーズに沿ったサービスの提供に取り組んでいきたいと考えています。